歴史
歴史 

1970年代、日本の高度経済成長とともに、それまでフランスに渡って苦労を重ねながら修業していた料理人たちが続々と帰国するようになり、本場のフランス料理文化を日本に持ち帰ってきました。高級ホテルでしか食べることのできなかった堅苦しく形式ばった料理に対して、彼らの持ち帰ったカジュアルでおしゃれな街場のレストランやビストロ文化は、フランス料理を庶民のものとしたばかりか、それまで裏方であった料理人という職業を、テレビや雑誌で取り上げられるシェフというかっこいい職業に変え、日本の料理界に一大革命をもたらしたことは記憶に新しいところです。そんな中で、「ビストロ・ヴァンサンク」は1975年オープン、店名は当時この地が25番地と呼ばれていたため「25」のフランス語読みで「ヴァンサンク」、初代シェフにはフランスから帰国したばかりの気鋭の料理人、原琳容(はらよしかた)が就任しました。原は「ビストロ・ヴァンサンク」で本場そのままのフランス料理を紹介するとともに、同じくフランス帰りの仲間達とともにフランス料理文化の啓蒙に務めましたが、その後、自らオーナーシェフとして店の経営を引き継ぎ、店名を現在の「ル・ヴァンサンク」に改めました。その後1986年からは、日本にフランス料理を紹介したもう一人の立役者である辻静雄が築き上げた料理界のエリート校、辻調理師専門学校フランス校を卒業した現シェフの丹下浩治が帰国して合流、さらに1994年には、調理師でも

ありソムリエでもある、現マネージャー兼ソムリエの則尾進(のりおすすむ)も入社、ともに店を盛り上げ、「ヴァンサンク」の今日に貢献しました。
一方、フランスの三ツ星店などで6年に及ぶ修業をしていた横田知義も原シェフと前後して帰国。横田は、大阪全日空ホテルのフランスレストラン「ローズルーム」シェフとして、当時話題の格付誌「グルマン」では連続三ツ星を獲得。2009年、原が引退を決意するにあたり、共に時代を築いた朋友であり後輩でもある横田に第3代目店主として、自ら育てた店とスタッフの将来を託したのです。同年6月1日、バトンタッチされた「ル・ヴァンサンク」は、古き良きその歴史を温存し新たな時代の息吹を吹き込んだリニューアルに着手、2009年10月11日より次の歴史に向かって本格的にリニューアルスタートしました。

歴史写真